コラム

納付書の送付対象見直し:キャッシュレス納付時代への移行

税務署からの納付書送付が変わります

国税庁は、キャッシュレス納付の利用拡大に積極的に取り組んでいます。具体的な目標として、令和7年までに国税のキャッシュレス納付の割合を40%にすることを掲げ、その利用推奨や利便性向上のため、様々な施策を展開しています。

この取り組みの一環として、行政コスト抑制の観点も加味し、今後、e-Taxによる申告書提出者などを対象に、納付書の事前送付を取りやめることになりました。この変更により、多くの納税者の方々に影響が及ぶことが予想されます。

納付書の事前送付が行われない対象者

今後、以下の方々には納付書の事前送付が行われなくなります:

1. e-Taxにより申告書を提出している法人
2. e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人(資本金1億円超の法人や通算法人等)
3. e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望した個人
4. 以下のキャッシュレス納付手段を利用している法人・個人

・ダイレクト納付
・振替納税
・インターネットバンキング等による納付
・クレジットカード納付
・スマホアプリ納付
・コンビニ納付(2次元コード)

ただし、源泉所得税の徴収高計算書や消費税の中間申告書兼納付書については、引き続き送付される予定です。国税庁は、これらの書類についても「電子申告及びキャッシュレス納付を是非ご利用ください」と呼びかけており、将来的にはこれらの書類も電子化される可能性があります。

電子申告と紙の納付書を併用している場合の注意点

申告はe-Taxで行いながら、納付は従来通り納付書を利用している方々もいらっしゃるでしょう。この変更により、今後「納付書が送られてこない!」という事態に直面する可能性があります。しかし、慌てる必要はありません。

納付書が必要な場合は、以下の方法で入手することができます:

1. 所轄税務署に連絡して郵送を依頼する
2. 所轄税務署に直接出向いて入手する
3. 金融機関で入手する(在庫がある場合)

ただし、これらの方法は従来の事前送付と比較すると手間がかかります。この機会に、キャッシュレス納付への移行を検討してみるのも良いでしょう。

キャッシュレス納付のメリット

キャッシュレス納付には、以下のようなメリットがあります:

1. 納付書の紛失や記入ミスのリスクがなくなる
2. 金融機関や税務署に出向く必要がなく、時間と労力を節約できる
3. 24時間365日、都合の良いタイミングで納付が可能
4. 納付履歴の管理が容易になる
5. ペーパーレス化によって環境負荷を軽減できる

キャッシュレス納付への移行準備

キャッシュレス納付への移行を検討される場合、以下の点に注意しましょう:

1. 利用可能な納付方法の確認:自社に最適な納付方法を選択しましょう。
2. セキュリティ対策:オンライン取引のセキュリティ強化を忘れずに。
3. 社内規定の整備:キャッシュレス納付に関する手順や承認フローを明確にしておきましょう。
4. 従業員教育:新しい納付方法について、関係する従業員全員に周知徹底しましょう。

    まとめ

    納付書の事前送付見直しは、デジタル化が進む現代社会における自然な流れといえるでしょう。この変更は、多くの企業や個人に影響を与える可能性がありますが、同時にキャッシュレス納付への移行を促進し、納税手続きの効率化につながることが期待されます。

    ただし、すべての方がすぐにキャッシュレス納付に移行できるわけではありません。各自の状況に応じて、最適な納付方法を選択することが重要です。納税に関する不明点や懸念事項がある場合は、所轄の税務署や税理士にご相談ください。

    私たちスリードアーズ税務会計事務所は、この移行期間中もクライアントの皆様をサポートし、スムーズな納税手続きのお手伝いをさせていただきます。キャッシュレス納付への移行に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。