時事解説
好循環のインフレに転換できるか その1
記事提供者:(株)日本ビジネスプラン
インフレの二つの顔:「良いインフレ」と「悪いインフレ」
日本は、ついにインフレの波に乗りました。しかし、日本銀行(日銀)は、現在のインフレを「悪いインフレ」として捉え、金融政策の調整によってこれを「良いインフレ」へと導く方針です。
デマンドプル型インフレとは?
- 原理: 消費者の強い需要により、物価が上昇。
- 影響: 経済の拡大とさらなる物価上昇を引き起こし、好循環を生む。
- 例: 需要増加に伴う生産拡大、雇用増加。
コストプッシュ型インフレとは?
- 原理: 原材料の価格上昇により、物価が押し上げられる。
- 影響: 企業利益の圧迫、経費削減の限界、商品価格の引き上げ。
- 例: 原油価格の上昇、原材料費の増加。
日銀の取り組みと現状の課題
日銀は、マネー流通量の増加を通じて、物価上昇を促進し、デマンドプル型インフレを引き起こそうとしてきました。しかし、現在のインフレはコストプッシュ型であり、原材料費の上昇や円安の影響が大きいです。
良いインフレへの転換:可能性と課題
物価上昇に伴い、賃金が増加すれば、悪いインフレを良いインフレへと転化させることが可能です。これには経済全体のバランスと賃金政策が鍵となります。