時事解説

エネルギー安定供給と脱炭素を両立させるCCSとは その1

記事提供者:株式会社日本ビジネスプラン

脱炭素社会への挑戦: 火力発電のジレンマ

世界は脱炭素を目指しており、これは国際的な課題となっています。特に2021年のCOP26では、地球温暖化防止のために石炭火力発電の削減が大きなテーマでした。火力発電はCO2排出の大きな要因ですが、これを急激に削減すると、電力供給に影響を及ぼすリスクがあります。

CCS(Carbon Capture and Storage): CO2を地中に封じ込める

CCSは、火力発電所などから排出されるCO2を回収し、地中に貯蔵する技術です。これにより、大気中に放出されるCO2を減らし、火力発電の継続と脱炭素を両立させることができます。貯蔵されたCO2は地中で岩石と反応し、鉱物を形成したり、塩水に溶け込むことで安定化します。

CCUS(Carbon Capture, Utilization, and Storage): CO2の再利用

CCUSは、CCSの進化形で、回収したCO2を有用な化学品原料などに再利用する技術です。例えば、カーボンナノチューブへの変換や、リチウムイオン電池、電子機器、自動車部品などの素材としての使用が考えられます。

EOR(Enhanced Oil Recovery): 古い油田の活用

EORは、古い油田にCO2を注入し、油田の寿命を延ばす手法です。これにより、既存の資源を最大限活用しながら、CO2の貯蔵も同時に行えます。

まとめ: CCS/CCUSとカーボンニュートラルの未来

CCSはカーボンニュートラル実現のための鍵とされ、CCUSはその進化形としてさらなる可能性を秘めています。世界各国での取り組みが活発化し、これらの技術が将来のエネルギー供給と環境保護の両立に貢献することが期待されます。

(記事提供者:株式会社日本ビジネスプラン)